この文書は、slackware-1.2.0.3 (UNIX USER誌付録)を基に記述しなおしました。 また使用したモデムは、マイクロコア社の MC14400FXです。使用するモデムによる 違いは付録にまとめてあるので、参考にして下さい。
UUCP の設定ファイル群は /usr/lib/uucp/hdb_config 配下 にあります。以下の記述は hdb_config 配下で行なって下さい。 設定するファイルは、Devices, Dialers, Permissions, Systems の 4つです。
注意: SLS-1.03 では、UUCP の設定ファイル群は /usr/lib/uucp 配下にあります。
Devices の設定
雛型ファイル Devices.ex をコピーして、Devices ファイルを作る。
| cp Devices.ex Devices | 
Devices ファイルに、以下の記述を追加する。
「ACU cua1 - 19200 scout」という行をコメント(先頭に#を付ける)して、 「ACU cua1 - 38400 mc144fx」という行を追加する。ここで、38400 は DTE 速度です。各自のモデムにより設定値は違いうので、マニュアルを参照し てください。
Dialers の設定
雛型ファイル Dialers.ex をコピーして、Dialers ファイルを作る。
| cp Dialers.ex Dialers | 
Dialers ファイルに、以下の記述を追加する。
| mc144fx =,-, "" \dATZ\r\c OK\r \EATDT\T\r\c CONNECT | 
Permissions の設定
雛型ファイル Permissions をコピーして、Permissions ファイルを作る。
| cp Permissions.ex Permissions | 
Permissions ファイルに、以下の記述を追加する。
| MACHINE=iijnet LOGNAME=nuucp \ READ=/usr/spool/uucppublic \ WRITE=/usr/spool/uucppublic \ SENDFILES=yes REQUEST=yes \ COMMANDS=/bin/rmail:/usr/bin/uux | 
Systems の設定
雛型ファイル Systems.ex をコピーして、Systems ファイルを作る。
| cp Systems.ex Systems | 
Systems ファイルに、以下の記述を追加する。 (1行で記述してください)
| iijnet Any ACU 38400 0990-6-03781 "" \r\c ogin:-BREAK-ogin:-BREAK-ogin: uucp | 
注意: もし,XXXX.ex という雛型ファイルが無いのなら、コピーせずに直接ファ イルを作成し,上記の記述をしても問題は無いはずです。
設定を済ませたら、以下のコマンドを実行して接続できるかどうか確認しまし ょう。コマンドは、rootでなくても実行できます。
| /usr/lib/uucp/uucico -r 1 -x 9 -s iijnet | 
確認方法は、
| /var/spool/uucp/.Log/uucico/iijnet | 
にあるログで確認してください。(iijnet は Systemsファイルに記述したタグです) 最後が「Call complete (XX seconds)」となっていれば成功です。
注意: SLS-1.03では、/usr/spool/uucp/.Admin/audit.local にログがあります。
成功すれば、いよいよファイルをコピーしてきましょう。以下のコマンドを実 行してみて下さい。成功すれば、tmp に README と言うファイルがあるはずです。
| uucp iijnet\!~/README /tmp/README | 
この README には IIJの Anonymous UUCP の概要が 書かれているので、よく読んでください。
注意: 以下の記述は IIJ の Anonymous UUCP のディレクトリィに依存します。 ディレクトリィの構成が変更された場合には、変更に応じてファイル名 を記述してください。
例として、dosemu0.52 をコピーしてきてみましょう。まず、 IIJ の Anonymous UUCP サービスの構成を把握するため、Index ファイルをコピーします。
| uucp iijnet\!~/Index /tmp/Index | 
とタイプすると、/tmp に Index という ファイルができます。このファイルを less 等で見てみると、どんなものが置いてあるのか見当がつきます。:-) Linux に関係 ありそうなのは linux と linux-j というサブディレクトリィですね。そこで、 linux と linux-j 配下には、 どんなファイルが置いてあるか書いてある ls-lR.Z を コピーしましょう。
| uucp -r iijnet\!~/linux/ls-lR.Z /tmp/linux_ls-lR.Z uucp iijnet\!~/linux-j/ls-lR.Z /tmp/linux-j_ls-lR.Z | 
とタイプしてください。今度は /tmp に linux_ls-lR.gz と linux-j_ls-lR.gz とい うファイルができます。(-r をつけて uucp を起動し、最後の uucp だけ -r をつけ ないようにすると、実際の接続は 1回で済みます。詳しくは "man uucp" で)幸いにも、linux_ls-lR.Z の中から linux/ALPHA/dosemu/dosemu0.52.tgz という ファイルが見つかりました。最後に、この dosemu0.52.tgz をコピーします。
| uucp iijnet\!~linux/ALPHA/dosemu/dosemu0.52.tgz /tmp/dosemu0.52.tgz | 
注意: 上記のコマンドは一行で書いてください。
とタイプすれば、/tmp に dosemu0.52.tgz がコピーされています。
今回の設定に仕方は、BNU とコンパチビリティな設定方法です。何故?それは筆 者が BNUの設定をしたことがあるからと,UUCP-HOWTO も BNU形式での設定方法が記 述されていたからです。:-)
さて,設定ファイルの*さわり*程度ですが説明をしておきます。興味を持たれた り、より高度な使い方を目指す人は、参考文献を読まれることをお進めします。
さて,肝心の説明です。
このファイルは、デバイスの設定を記述します。
|   ACU    :  接続のタイプ。モデムの場合は、ACU を指定します。
  cua1   :  使用するデバイスを指定します。
  -      :  ダイアラポート。- を指定します。
  38400  :  デバイスの速度を指定します。
  mc144fx:  使用するダイアラを指定します。通常 Dialersファイル内のエ
            ントリを指定します。 | 
このファイルは、モデムにコマンドを発行して相手システムにコネクト するまでの手順を記述します。
|   mc144fx:  ダイアラ名を指定します。Devicesファイルから参照されます。
  =,-,   :  発信音待ちの = と、ポーズの - を指定します。
  "" 以降:  上記の記述で、""以降がモデムに発行するコマンド等を指定
            するフィールドです。今回の記述がどう動くか解説すると、
            モデムからの反応待たないで、ATZ+改行を送り、OKという文
            字列が返ってくると,ATDT+電話番号+改行を送り,CONNECT
            という文字列が返ってくると正常終了します。 | 
|   MACHINE  :自システムが呼び出せるシステム名と条件を指定する。
  LOGNAME  :自システムにログインするときに使えるログインIDを指定す
            る。
  READ     :uucicoが呼み出すことのできるディレクトリィを指定する。
  WRITE    :uucicoが書き込むことのできるディレクトリィを指定する。
  SENDFILES:ローカル・キューのなかのファイルを送信できるかどうか
            指定します。
  REQUEST  :相手システムから自システムへファイル転送できるかどうか
            指定します。
  COMMANDS :相手システムが自システムで実行できるコマンドを指定する。 | 
このファイルは、接続する相手システムの情報を記述します。
|   iijnet:  システム名を指定します。このシステム名を使って、uucp
           コマンド等を実行します。
  Any   :  このエントリを使用できる期間/時間を設定します。Anyは何
           時でも使用できることを表します。
  ACU   :  使うデバイスを指定します。Devicesファイルを参照します。
  38400 :  デバイスの速度を指定します。
  0990-6-03781:  接続する相手システムの電話番号を記述します。
  ""以降:  ""以降が、相手システムに接続してからの手順を記述してい
           ます。上記の記述は、モデムからの反応待たないで、1度改行
           を送り、ogin: という文字列にが来れば uucpを送り,ogin: 
           という文字列が見つからなければ、BREAK信号を送るという手
           順を2回します。 | 
| UUCP-HOWTO FUNIX LIB13 #42 Serial-HOWTO FUNIX LIB13 #43 UUCPシステム管理 アスキー出版 InternetとUUCP UNIX MAGAZINE 1993.7 p.71-79 | 
マイクロコア社 MC14400FX の ATコマンドの一部です。
|   ・ATZ      :モデムを初期化します。
  ・ATDTxxxx :トーンダイアル(プッシュ回線)で以降に続く電話番号xxxx
               にダイアルします。 | 
<EOF>